現地取材
京都駅ビル芸術祭2026を取材!招き猫・光る扇子・京刺繍などART&CRAFT BOXの見どころ
招き猫に京刺繍、光る扇子まで!京都駅ビル芸術祭2026のART&CRAFT BOXを取材。伝統工芸がアートに変わる驚きの仕掛けと見どころを紹介します。
この記事で分かること
- ART&CRAFT BOXの注目作品と現地で見つけた見どころ
- 招き猫・京刺繍・光る扇子・令和の花札に隠された工夫
- 京都駅ビル芸術祭2026の展示期間と鑑賞のポイント
「第2回京都駅ビル芸術祭 ゲイジュツ ノ エキ2026/GNE」の「ART&CRAFT BOX」には、招き猫、京刺繍、扇子、花札、京蝋燭、漆などを現代の感性と掛け合わせた作品が展示されています。
ハピエルはメディアツアーでA・B両エリアの作品説明を聞いてきました。見た目の面白さだけでなく、作家自身が語る制作意図や、意外な仕掛けを知ると、作品の見方が変わってきます。
若佐慎一さんの招き猫。昼と夜を表す「阿吽」の世界
最初に紹介したいのは、芸術祭のキービジュアルにもつながる若佐慎一さんの招き猫です。
展示作品『拳を突き上げた先のカオスな未来でも進み続ける招き猫様阿吽像図』は、二体の招き猫を「阿吽」の像になぞらえた作品。公式紹介では、幸運を待つだけでなく、自ら未来を招き寄せる意思が込められています。

メディアツアーでは若佐さん本人も作品を紹介。長年描き続けてきた招き猫を、訪れる人を迎える神社の狛犬のような存在に見立てたこと、そして昼と夜の対比を意識したことを語っていました。
近くには招き猫のイメージを立体にした『金色猫様立像』も展示されています。平面と立体を見比べてみると、同じ招き猫でも表情が変わるのが楽しいところです。
京刺繍で描くアート。若佐慎一×長艸繍巧房

若佐慎一さんの表現を、京都の高度な刺繍技術で形にした作品も登場しています。『仲良し』と『冥土の旅』は、長艸繍巧房・長艸敏明さんとのコラボレーションです。
近づいて見たときの立体感が大きな見どころとして紹介されました。絵のように見える部分も刺繍によって表現されているため、糸の重なりや表面の凹凸を意識して鑑賞したい作品です。
手塚治虫の言葉が光で浮かぶ!宮脇賣扇庵の扇子
「ART&CRAFT BOX B」で紹介された中でも、仕掛けが印象的なのが『光芒(こうぼう)をあおぐ』です。
京都の老舗・宮脇賣扇庵の扇子に、手塚治虫作品の絵とメッセージを組み合わせたアート。表には漫画の一場面、裏には特殊な蓄光インクで言葉が表現されています。


ブラックライトを当てると、ふだんは見えにくい文字が浮かび上がる仕掛けがあります。
扇子という伝統的な道具に、光の演出を重ねた作品です。

令和の花札「NEW花かるた」は絵柄も役も新しい
『NEW花かるた』は、アーティスト・Omochiさんと田村将軍堂によるコラボレーション。伝統的な花札を、現代の景色や感覚で描き直した作品です。

昔ながらのモチーフがアイドルやコンビニの灯り、ネオンなどへ置き換えられています。
絵柄だけでなく花札の「役」も現代風に考えたという説明がありました。見て楽しむだけでなく、実際の遊びを想像しながら比べるのも面白いですね。

工芸が暮らしやファッションにも広がる
陶器の小さな世界と、再現された重陽の節句

『仙人の筥(やまびとのはこ)』は、SHOWKOさんと山科言親さんの作品。重陽の節句にまつわる菊の文化をモチーフに、陶筥と伝統の技を掛け合わせています。
また、桝本佳子さんの『手袋 / 小鉢』には、手袋の編み模様と器の模様を響き合わせる工夫が。手袋に隠れた小さな野ネズミにも注目です。
香りを楽しむ「かざ 香瓶(かびん)」

『かざ 香瓶(かびん)』は、陶芸家・浅井慶一郎さんと大西常商店のコラボレーション。京扇子の扇骨に使われる竹の特性を生かした、香りを楽しむ作品です。
展示の周囲に広がる香りを感じられます。
金網を使ったアートシューズと、絵蝋燭
『足元のアートピース』は、金網つじとネーカーズによる作品。「歩くため」だけに限定しない靴のあり方を提案しています。
また、DAICHI MIURAさんのキャラクター「Josie」を京都の絵蝋燭の技で描いた『灯るJosie』も展示。職人の手仕事がキャラクターの魅力を別の形で伝えています。
漆を塗った自転車にも注目
『URUSHI × BIKE 「鉄呂色」』は、堤淺吉漆店と京都の自転車工房EBSの取り組み。自転車という現代の生活道具に漆を使い、長く使い続ける道具の魅力を伝えます。
さらに、信楽焼を用いたミヤケ マイさんの募金箱『HELP』や、失われた技術を現代に復興した『土紋 来迎鳳凰像』なども、工芸の広がりを感じられる作品です。
厄を喰らう ー PAC-MAN 薬玉

平安時代から伝わる薬玉がパックマンに。
京都駅ビル3階の階段でパックマンのプロジェクションマッピングも行われています。
「ART&CRAFT BOX」を楽しむなら、素材の違いにも注目
絵、刺繍、陶器、扇子、蝋燭、漆。使われている素材も作り方も違いますが、伝統をそのまま保存するだけでなく、別の表現と掛け合わせて新しい魅力を生み出している点が共通しています。
最初は見た目で気になった作品から入り、次に素材や技法を確かめてみると、展示をさらに楽しめます。京都らしい手仕事を、難しく考えずに身近に感じられるエリアです。
開催期間・会場

ART&CRAFT BOXは、京都駅ビル芸術祭の展示エリアです。主な作品の展示予定期間は2026年10月17日(土)~11月3日(火・祝)。芸術祭の基本開催時間は13:00~20:00です。会場や展示変更は公式案内をご確認ください。
京都駅ビル芸術祭2026「ゲイジュツ ノ エキ」|参加作家・ステージ・開催情報
展示作品の詳しい情報は京都駅ビル芸術祭公式サイトをご覧ください。
オープニングセレモニーでは京都駅南側で毎晩公演しているDRUM TAOのパフォーマンスが披露されました。










