『禅とジブリ』京都展レポート!『君たちはどう生きるか』の世界で禅に触れる見どころ
『禅とジブリ』京都展を内覧会でひと足先に体験。『君たちはどう生きるか』の世界を歩きながら、禅へ近づく5章の見どころを現地から紹介します。
この記事で分かること
- 『禅とジブリ』京都展の5章構成と注目したい見どころ
- カオナシやハウル、隠れトトロなど現地で楽しめる展示
- 開催期間・チケット料金・おすすめの回り方と楽しみ方
(C)Studio Ghibli
『禅とジブリ』京都展は『君たちはどう生きるか』を入口に「禅」を体感する展覧会

2026年10月3日から京都市京セラ美術館 新館 東山キューブで、『禅とジブリ』京都展が始まりました。
報道関係者向け内覧会の取材レポートをご覧ください!

会場に入って驚いたのは「禅の作品展覧会」なのかと思って訪れたのですが、ジブリ作品の世界へ入るテーマパークのような没入感。
そして、その世界の中で展示を見ているうちに、「禅のものの見方」を感じる展覧会だということです。
中心となるのは、宮﨑駿監督の映画『君たちはどう生きるか』ですが、それ以外のジブリ作品も多く展示されているので『君たちはどう生きるか』を詳しく知らない人でも大満足の展覧会になっています。
映画『君たちはどう生きるか』の考察への答え
展覧会は全5章。前半では『君たちはどう生きるか』をはじめとしたジブリ作品と禅のつながりを体感し、後半へ進むにつれて、禅そのものや言葉の世界へ入っていきます。

スタジオジブリの橋田さん(三鷹の森ジブリ美術館の館長を務めたこともある。イベントプロデューサー)はギャラリートークで、本展について『君たちはどう生きるか』を深掘りする展覧会でもあると説明していました。今まで語ってこなかった映画の誕生エピソード。作品の解説展示などが充実しています。
映画を見た時に「これはどういう意味だったのだろう」と感じた方ほど、展示の文章や空間をじっくり見てほしい展覧会です。
第1章「あっちの世界とこっちの世界」へ

ギャラリートークでは、禅について「あっちの世界とこっちの世界の間のようなところ」という話を聞いたことが、今回の展示を考えるきっかけの一つになったと紹介されました。
ジブリ映画を振り返ると、『となりのトトロ』『崖の上のポニョ』『ハウルの動く城』『君たちはどう生きるか』など、主人公が建物や木、トンネル、扉などを境に別の世界へ入り、そこで何かを経験して元の世界へ戻ってくる物語がいくつもあります。
この章では、そんなジブリ作品の「あっち」と「こっち」を行き来する感覚を、実際に空間を歩きながら味わえます。
『君たちはどう生きるか』の「時の回廊」を歩くような空間

『君たちはどう生きるか』に登場する「時の回廊」を思わせる場所には、いくつもの扉が並びます。
橋田さんによると、この空間そのものを「あっちの世界とこっちの世界を行き来する禅の道を歩いている」イメージで作ったそうです。
正面の展示だけを見るのではなく、次の扉の向こうには何があるのか想像しながら進むと、映画の主人公になったような感覚で楽しめます。
カオナシ、湯婆婆、ハウルの立体展示は細部まで見たい

扉の先では、ジブリ作品の印象的な場面が立体的に表現されています。
『千と千尋の神隠し』では、カオナシが料理を食べる場面を思わせる部屋が登場。
別の部屋には湯婆婆の姿も。映画のセリフと一緒に見ることで、その場面を思い出しながら展示を味わえます。
そして『ハウルの動く城』では、動く城そのものにも注目です。
本当に城が動いていて、その動きが映画そのもの。少し立ち止まって動きまでじっくり見てほしいです。
千と千尋の神隠し 湯婆婆 「腐れ神が来館?」

名言「来ちまったものは仕方がない。お迎えしな!」
腐れ神だと思われる神様(本当は 名のある河の主)が来館したシーンでの湯婆婆の名言
千と千尋の神隠し カオナシ暴食

名言「こっちへおいで 千は何がほしいんだ いってごらん」
カオナシがアオガエルや従業員たちを飲み込んだ後、主人公の千尋(千)に金塊を見せながら近づき、機嫌をとろうとするシーンでのセリフ

畳を見ると、散らかされたお皿から垂れた汁で畳が汚れているところまで再現されています
ハウルの動く城 ソフィー

名言「お城ったって中から見るとガラクタの寄せ集めね!みんな ご飯にするよ」

サリマンのいるお城からハウルの動く城へ帰ってきたソフィーの名言です。
崖の上の上のポニョ

名言「不思議なことがいっぱい起こっている。今はなぜなのか分からない。でも、そのうちにわかるでしょう。」
大洪水の中、リサが宗介を落ち着かせるために言ったセリフです。

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あくまで私の解釈・考察です。
ご自身での解釈・禅への理解を深めていただくことをおすすめします。
コントロールできないものを受け入れる。過去や未来を切り離し、「いま、ここ」にある現実だけに集中することを重んじる。
そんな禅の精神を表す「腹をくくる姿勢」の湯婆婆
カオナシは砂金や食べ物といった物質的なもので千尋の気を引こうとしますが、欲のない千尋には通用しません。
外側の物質に満たされない本質的な充足とは何かという、禅の「足るを知る」を表現したシーンなのでしょう
禅では、人間が勝手に作り出した「立派なもの(城)」と「価値のないもの(ガラクタ)」という二元論的な境界線を否定します。
ソフィーはガラクタの集まりという「ありのままの姿」であることを平然と受け入れています。
禅では「喫茶喫飯(お茶を飲む時はお茶を飲むことに、ご飯を食べる時はご飯を食べることに集中せよ)」という過去の執着や未来の不安にとらわれず、「今、ここ」の生を全うせよという教えがあります。
城の正体が何であろうと、あるいは外で戦争が起きていようと、人間が生きていくために最も大切なのは「今からみんなでご飯を食べる」という目の前の日常です。
禅では、「分からない時は、分からないままにしておきなさい」と考えます。リサの姿: 「なぜなのか分からない」と、考えるのを一度ストップしています。これは諦めではなく、心に余白を作るためのお休みです。
そして、目の前の現実をコントロールしようとせず、自然の流れにフワッと乗っかる。この「逆らわない強さ」
さらに、 禅が一番大切にしている「先のことを不安がる暇があったら、今できることをやろう」という教えを実践しています。
扉に書かれた番号にも注目

映画『君たちはどう生きるか』を何度も見ている人なら、ぜひ扉に書かれた「番号」も見てみてください。
「映画をよく見ている方なら気になる番号」がいくつもあると思います。
立体展示だけを追いかけるのではなく、扉、文字、小物まで見ていくと、ファンならではの発見が増えていきます。
第2章「お茶をどうぞ」宮﨑駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの会話を聞く

第2章「お茶をどうぞ」には、会場の中にジブリ映画に登場しそうな建物が作られています。
美術館の中に、家があることにも驚きます。

建物の外には、「監督の宮﨑駿さんの自画像に登場として登場する豚」と「プロデューサー 鈴木敏夫さんをモチーフにしたサル」が立っています。
2023年に開催された「金曜ロードショーとジブリ展」のキービジュアルの立体像です。


さらに、木の下をよく見ると『千と千尋の神隠し』に登場する「道案内のカンテラ」がいますよ
トトロとサギ男がお茶を飲みながら見ているのは?

中へ入ると、トトロと『君たちはどう生きるか』のサギ男が並んでお茶を飲んでいる姿が。

その視線の先にあるのが、宮﨑駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの会話です。
ここでは文章を読むだけでなく、実際の2人の声にも耳を傾けてみてください。
ギャラリートークでは、2人が日常的に交わしている「今」の話を録音したものから、興味深いやり取りを選んで展示していると説明されました。
話している内容だけでなく、言葉と言葉の間や、2人ならではのテンポまで含めて聞くと面白いコーナーです。
第3章「生まれるところ」『君たちはどう生きるか』をさらに深掘り

第3章「生まれるところ」では、展覧会の原点となった書籍『禅とジブリ』や、ジブリ作品と禅の言葉を組み合わせた展示へ進みます。

ここからは「作品の場面を見る」だけではなく、その場面を別の角度から考える時間が増えていきます。
ジブリ作品と禅の言葉を組み合わせた「ジブリ禅」




「ジブリ禅」では、ジブリ作品の場面と禅の言葉が組み合わされています。
よく知っているキャラクターや場面でも、禅の言葉と一緒に見ると印象が変わります。
「この場面を、こういう考え方で見ることもできるのか」と、一つの正解を探すより、自分が何を感じるかを楽しみたい場所です。

起き上がりこぼしは実際に触れて楽しめる

このエリアで、見るだけではなく実際に触れて楽しめるのが起き上がりこぼしです。
何度倒しても起き上がる姿と禅とのつながりが紹介され、ギャラリートークでも「ぜひ触って」と案内されていました。

『天空の城 ラピュタ』の巨神兵、『千と千尋の神隠し』のカオナシが起き上がりこぼしになっています。
「サギ男が生まれた日」と眞人の部屋

『君たちはどう生きるか』をもっと知りたい方は、「サギ男が生まれた日」をじっくり読みたいところです。
映画公開時には詳しく語られなかった、作品がどのような考えや思いから形になっていったのか。その背景へ近づく文章が展示されています。


さらに主人公・眞人の部屋を通して、眞人が一人で何を考え、何を抱えていたのかを考える構成もあります。

映画を一度見ただけではつかみきれなかった部分を、展覧会でもう一度たどるような感覚です。
第4章「禅」から展示はさらに深い世界へ

ここでは書籍『禅とジブリ』に登場した人物をはじめ、禅に関わるさまざまな展示が続きます。
書籍の第一回に登場した「白隠さん」の絵画は、その大きさに驚きました。

書籍『禅とジブリ』を読んでから訪れると、人物や言葉の背景までつながりやすく、より深く味わえるエリアです。
「経営の神様」と呼ばれた京セラ創業者 稲盛和夫さん。京都 円福寺で禅の修行をされている様子や「利他心」「敬天愛人」と書かれた書も展示されています。
第5章「この時代をどうやり過ごすか」鈴木敏夫さんの言葉を持ち帰る

最後の第5章は「この時代をどうやり過ごすか」。
鈴木敏夫プロデューサーが書いた言葉や書が並びます。

難しい禅語だけではなく、鈴木さんが大切にしている言葉を今の言葉として書き、「一つでも二つでも言葉を持って帰ってほしい」という思いで展示がされています。

ここまで展示を見てきた後だからこそ、自分の今の気持ちに引っかかる言葉が見つかるかもしれません。
全部を理解しようとするより、「今日はこの言葉が気になった」という一つを見つけるつもりで見ると、この章らしい楽しみ方ができます。
会場で探したい「隠れトトロ」
展示会場には、ちょっと遊び心のある楽しみもあります。
会場には「隠れトトロ」が登場する映像がありますが「なかなか出てこないので見つけにくい」かもしれません。
見つけたらラッキーかも!
こうした小さな発見があるのも、ジブリの展覧会らしい楽しさです。
『禅とジブリ』京都展のおすすめの楽しみ方
『禅とジブリ』京都展は、立体展示だけを次々に撮影して進むより、「見る・聞く・読む・考える」を切り替えながら回ると面白さが増します。
- 第1章は扉や小物まで見ながら、ジブリの世界に入る感覚を楽しむ
- 第2章は宮﨑駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの声を、会話の間まで含めて聞く
- 第3章は『君たちはどう生きるか』の製作背景や文章をじっくり読む
- 第4章以降は「全部理解する」より、自分が気になる人物や言葉を見つける
- 最後に自分が持ち帰りたい言葉を一つ探す
ジブリファンなら作品の細かなモチーフ探しが楽しく、禅を詳しく知らない方は作品を入口に考え方へ触れられます。
友達同士なら「どの言葉が気になった?」と話しながら見るのも面白いですし、ひとりなら文章や音声を自分のペースで味わいやすい展覧会です。
また、会場のQRコードから展示文章を後で読める仕組みや、10月中旬ごろから音声ガイドを無料で聞ける予定との説明がありました。提供開始時期や利用方法は来場時に公式案内を確認してください。
『禅とジブリ』京都展の開催期間・場所・料金

開催期間は2026年10月3日(土)から12月6日(日)まで。会場は京都市京セラ美術館 新館 東山キューブです。
- 開催期間:2026年10月3日(土)~12月6日(日)
- 開館時間:10時~18時(最終入場17時30分)
- 会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
- 休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
- 一般・大学生:1,900円
- 中学・高校生:1,500円
- 小学生:1,100円
記載の料金は税込です。未就学児は無料です。
会場内ショップのみの利用はできず、展示を観覧した来場者が利用できます。
会場の混雑状況によっては予約優先制が導入される場合があります。来場前には展覧会公式サイトで最新情報を確認しておくと安心です。
『禅とジブリ』京都展まとめ

『禅とジブリ』京都展は、ジブリ作品を並べた展覧会でも、禅を難しく解説するだけの展覧会でもありません。
『君たちはどう生きるか』を中心に、登場人物が「あっちの世界」と「こっちの世界」を行き来するように、ジブリ作品から禅へ、禅からもう一度作品へと視点を行き来できるのが大きな魅力です。
カオナシや湯婆婆、ハウルの立体展示を楽しむだけでもワクワクしますが、宮﨑駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの会話、作品が生まれた背景、禅の言葉まで進んでいくと、同じ映画が少し違って見えてきます。
すべてを理解しようとしなくても大丈夫です。
会場を出る時に、一つの場面や一つの言葉が残っていたら、それこそこの展覧会らしい体験なのかもしれません。
『禅とジブリ』京都展は『君たちはどう生きるか』を見ていなくても楽しめますか?
立体展示や空間演出、トトロやカオナシなどジブリ作品のキャラクターを見る楽しさはあります。ただし『君たちはどう生きるか』が展覧会の中心になっているため、映画を見ていると「時の回廊」やサギ男、眞人の部屋などの意味をより深く楽しめます。
子供と一緒でも楽しめますか?
キャラクターや立体展示を探しながら見ると楽しみやすいです。特に起き上がりこぼしのように実際に触れられる展示や、隠れトトロ探しは、文章中心の展示の合間に親子で楽しめるポイントになります。
禅に詳しくなくても楽しめますか?
禅の知識がなくても、ジブリ作品から入れる構成なので楽しめます。最初からすべての意味を理解しようとせず、好きな作品の場面や気になった言葉から見ていくと、自然に展覧会のテーマへ入っていけます。
禅とジブリ 京都展 入場券プレゼント
【応募締切】
2026年10月18日(日)23時59分
※フリマアプリやオークションサイト、その他いかなる方法でも他人に譲渡、転売することはできません。
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