市川團十郎さん・ケントモリさん!AR歌舞伎『THE BUSHIDO -舞志道-』の舞台裏とは

市川團十郎・ケントモリ 歌舞伎・ダンス コラボ

市川團十郎さんとケント・モリさんが出会い、AR×歌舞伎で挑んだ『THE BUSHIDO -舞志道-』。言葉では足りない感動の裏側とは?

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市川團十郎 × ケント・モリ
「蓋のない少年」と「伝統の継承者」が出会った日 ― KABUKI ARTLIVE『THE BUSHIDO -舞志道-』インタビュー

BUSHIDO KABUKI JAPAN

マドンナ、マイケル・ジャクソン……
世界のトップアーティストと共に“ダンスで夢を魅せてきた”ダンスアーティスト、ケント・モリさん。

一方、日本の伝統芸能・歌舞伎を背負い、常に新しい表現に挑み続ける歌舞伎俳優・市川團十郎さん。

そんな二人がタッグを組み、最新テクノロジー・拡張現実(AR)と日本の伝統文化を掛け合わせた、まったく新しい舞台表現に挑むのが、KABUKI ARTLIVE『THE BUSHIDO -舞志道-』です。

AR技術と歌舞伎

今回のインタビューでは、二人の“出会いの瞬間”から、“挑戦”に込めた思いまで、思わず胸が熱くなる言葉がたくさん飛び出しました。

歌舞伎・市川團十郎とダンス・ケントモリ!舞台公演ダイジェスト&インタビュー

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市川團十郎さん楽屋でいきなり「地毛なの?」

ケントモリさんの地毛はどこまで?

初対面は、ケント・モリの髪かイジリから始まった

ケントさんと團十郎さんが出会ったのは、作品『SEIMEI』の記者会見の日。
会見前の楽屋で、出演者たちが続々と集まる中、二人はごく自然に距離を縮めていきます。

ケントさんが笑いながらこう振り返ります。

「記者会見の楽屋でお会いして、最初のひと言が
『何それ? 地毛なの?』って、僕の髪の毛をいじってくださったんです」

実はケントさん、このロングヘアを
「締め縄スタイル」と呼んでいるそう。

「すべてのご縁がつながりますように、という思いを込めて、“締め縄スタイル”って呼んでるんです」

いきなり髪の毛からツッコまれる歌舞伎界の大スターと、
“締め縄ヘア”でご縁をつなぐ世界的ダンサー。

ケントモリさんは蓋のない少年

ケントモリ

「蓋のない少年」
團十郎が見た、ケント・モリという存在

一方で、團十郎さんが語るケントさんの第一印象は、とても深くて優しいものでした。

「人は生まれた時、みんな純粋で無垢で、希望しかないと思うんです。
でも人生の中で、いろんなことがあって、自分に“蓋”をしてしまうことが多い。
だけど、ケント君にはその“蓋”がない」

日本の伝統芸能の世界に生きている團十郎さん自身も、
「蓋をしなくてはいけない」と感じる瞬間がたくさんあったと言います。

「伝統の世界にいると、自分にも蓋をすることがある。
でも、蓋をしていない人間を見た時に、ぐっと引き寄せられるものがある。
ケント君には、お父様とお母様の愛情、環境、そして自分で海外に飛び出した経験、その全部が“蓋のない少年”として現れている」

これを聞いたケントさん、
「そんな風に見ていただいていたなんて、一生忘れません」と、
胸いっぱいの表情。

この“お互いの目線”が、本当に尊いのです。

市川團十郎さんの存在感

市川團十郎さん

「光が当たってるんじゃないかと思った」
ケント・モリが感じた、團十郎という“存在感”

ケントさんが語る、團十郎さんへの第一印象も、ものすごく印象的です。

「リハーサル場に團十郎さんが現れた瞬間、
テンションが自然と上がって、背筋も勝手に伸びて、
そこに光が当たってるんじゃないかって思ったんです」

さらに、

「この一年、出会ったどの瞬間も優しさしかなくて。
夢と愛の塊でできている方だと思っています。
僕にとっては“夢”であり、“愛”であり、“光”のような存在です」

マイケル・ジャクソンやマドンナの現場を経験してきたケントさんが、
ここまでまっすぐに“人としての魅力”を語る相手。

世界80億人をターゲットに
ロサンゼルスと日本、ルーツの掛け算

ケントさんはこの10年間、
「自分のルーツである日本」と
「ロサンゼルスを拠点に戦ってきたダンス」を掛け合わせて、
“世界80億人をターゲットにしたグローバルコンテンツ”を作れないか、挑戦してきたと言います。

その流れの中で出会ったのが、
歌舞伎作品『SEIMEI』での“神楽の振付”というオファーでした。

「『SEIMEI』で振付をさせていただいたご縁から、
團十郎さんに僕の思いをぶつけさせていただいたら、
こうして『THE BUSHIDO -舞志道-』という舞台に繋がったんです」

ケントさんは、普段自分のことを
「夢を見ていたいから“無職ドリーマー”って呼んでいる」
と冗談交じりに話しますが、

「今回だけは、夢じゃなくて“現実”であって欲しい。
そう本気で思っています」

と、言葉を噛みしめるように語る姿が印象的でした。

『THE BUSHIDO -舞志道-』製作秘話

BUSHIDO KABUKI

たった2日前の合流、6時間のリハーサル
「世界に誇れる初作になった」と言い切れる理由

今回の舞台づくりは、時間との戦いでもありました。
ケントチームが先に準備と制作に入り、
團十郎さんが現場に入ったのは、本番のわずか2日前。

「2日前のリハーサルは、たぶん6時間くらいやっていただいたと思います。
その中で、言葉だけじゃなく、身体全部で
『ここはこうしたほうがいい』と、細かく指導してくださった」

その結果――

「ベタな言い方ですけど、本当に“世界に誇れるコンテンツ”になる初作になったと、僕は心から思っています」

ケントモリ

純粋な表現ゆえに、足りない部分もある。
そこに、歌舞伎の身体性や積み重ねてきた所作が掛け合わさることで、
作品は一気に“世界クラス”に飛躍する。

そんな瞬間を、ケントさんは全身で受け取っていました。

「厳しいのに楽しい」
マドンナの現場と重なった、稽古場の空気

ケントさんは、團十郎さんとの稽古場を、
20年前に参加したマドンナの現場に重ねます。

「マドンナの現場も、毎日12時間リハーサルが続くぐらい厳しいんですけど、
なぜか笑いが絶えない、スマイルがあふれている現場だったんです。
今回の稽古場も、まさにそれでした」

團十郎さんが、空気作りからチーム作りまで、
すべてを背負っているからこそ生まれる“厳しさと楽しさ”。

「どこに行くよりも、この現場が楽しかった。
子どもたちもダンサーも、全員の目がハートになっていました」

読んでいるだけで、稽古場の熱気と笑い声が伝わってくるようです。

市川團十郎さんが語る「挑戦」の意味

市川團十郎 ケントモリ

「やらないまま進むこともできる。でも――」
團十郎が語る「挑戦」の意味

インタビュー終盤、團十郎さんが語った“挑戦”の話が、とても心に残ります。

「挑戦すると、日本人はいろんな意見が出ます。
『いいね』と言う人もいれば、『何やってるんだ』と言う人もいる。
でも、何もしないまま進むこともできるんです」

その上で、こう続けます。

「かすかな希望の光に向かって、まっすぐ突き進む力。
それを楽しむことが大事だと思うんです」

コロナ禍で海外渡航も難しくなり、
お互いに“足踏み”を感じていた時期があった二人。

だからこそ、この舞台が

「希望の光に向かって、一歩、二歩、三歩と進むきっかけになる公演になれば」

という言葉には、とてもリアルな重みがあります。

世界初、“拡張現実 × ライブパフォーマンス”

世界初、“拡張現実 × ライブパフォーマンス”への一歩
「よちよち歩きだけど、生まれたことが大事」

今回の『THE BUSHIDO -舞志道-』では、
拡張現実(AR)をライブパフォーマンスに取り入れるという、
世界でもまだ誰もやっていない挑戦が行われています。

ケントさんは、ワクワクが止まらない様子でこう語ります。

「團十郎さんが、自らこの挑戦に立ってくださっている。
世界のエンターテイメントの未来へ向けた、
新しいステージの“きっかけ”になると信じています」

一方で團十郎さんは、作品をこんな風に例えました。

「まだ“よちよち歩き”ですよ。
でも、生まれたことが大事なんです」

作品を一緒に育てていく、
まさに“よちよち歩きの新しいエンタメの赤ちゃん”が今、生まれたのだと感じさせてくれる言葉でした。

「こんなに夢見させてもらっていいんですか?」

最後に、ケントさんがぽつりとこぼした言葉が、
このインタビューのすべてを物語っているように思います。

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