USJでゴルツマン理論(環境心理学と環境デザイン) 修学旅行の学習のめあてにも使える
ゴルツマン理論でデザインされたユニバーサルワンダーランドの実例を紹介しながら公園・遊び場の環境デザインを考えます。修学旅行のしおりなど資料作りの参考にもどうぞ。
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USJ(ユニバーサルワンダーランド)の設計にゴルツマン理論
ユニバーサルスタジオジャパンに2012年3月に新オープンした小さな子供でも楽しめるエリア「ユニバーサルワンダーランド」にはゴルツマン理論が使われていることがエリアのオープン前にUSJ公式やプレスリリース等で発表されています。
最近再びテレビ番組などでも取り上げられたことで、知った人もいるでしょう。
ゴルツマン理論は、USJを大阪を目的地とした修学旅行で学習のめあてとするのに役立つと思います。
ぜひ楽しみながら知識を広げる機会にしてください。
USJ専門家の1人としてテレビ出演もしたUSJ情報サイト編集長お話させていただきます。
スーザン・ゴルツマン プロフィール
ゴルツマン理論はスーザン・ゴルツマン(Susan Goltsman)さんは環境デザイン界の世界的権威です。
USJにユニバーサルワンダーランドが建設される際に設計にも関り、USJへ来場したときには「子供たちは遊びを通じて生き抜くために必要なことを学ぶ。夢中で遊べる環境を整えることを考えた」と語っています。
ゴルツマンさんは次の学位をお持ちです。
●ランドスケープ・アーキテクチュア(アメリカのノースカロナイナ州立大学)
●環境心理学(イギリスのサレー大学)
●環境デザイン(アメリカニューヨークのパーソン・デザイン学校)
1986年にカリフォルニア州 レクリエーション優秀賞を受賞
屋外遊び場の標準的設計の確立やASTM(米国試験材料協会)で遊び場・遊具を利用者が円滑に利用するための標準化に関わりました。
アメリカ造園家協会 カリフォルニア部会の会長やスタンフォード大学で都市研究の授業をするなど活動は多岐にわたりました。
ちなみに、ステファン・ボルツマンの法則は科学の世界では有名ですが、こちらは熱放射や統計力学の法則なのでゴルツマン理論の方とは違います。
環境心理学と環境デザイン
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スーザンゴルツマン本
「子どものための遊び環境 計画・デザイン・運営管理のための全ガイドライン」(ロビン・ムーア、スーザン・ゴルツマン、ダニエル・アイソファー著 1995年日本語版発売)では、子供の発達のための機会としての公園などの遊び環境づくり。敷地デザインや遊び場のデザイン。安全性(危険を最小限に抑える)を考えたデザイン。
遊びのプログラム作りの基準など、子供の心理と発達を考慮した環境デザインについての記述と図面やイラストによる事例説明が書かれています。
ユニバーサルワンダーランドでの事例
ワンダーランドでゴルツマン理論がどのように活用されているのか、事例をいくつか紹介します。
年齢(発達)に応じた遊び場
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エルモのリトル・ドライブ
遊び場の特性を能動的な遊び場、受動的な遊び場や発育の段階に応じた遊び場の分割を提唱しています。
エルモのリトルドライブとセサミのビッグドライブ
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エルモのリトルドライブ
年齢の区分の一番分かりやすい例が年齢制限です。
エルモのリトルドライブは年齢制限が3歳~5歳(6歳の幼稚園児も含む)となっています。
セサミのビッグドライブは年齢制限が6歳~11歳(12歳の小学生も含む)となっています。
どちらも1人乗りの車に乗って運転するアトラクションなのですが、はっきり年齢を分けることでリトルドライブの方は「アクセルのボタンを踏むと進む。離すと止まる」という簡単な動作を認識する運転
※ビッグドライブは2023年6月時点では臨時休業中
水の遊び場
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ワンダーランド アヒル
水の遊び場が必要だとの提唱で、ワンダーランドには地面から水が吹き上がるゾーンや、アヒルを水流で流して下流まで泳がせて手で上流に運ぶゾーンがあります。
安全性
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ゴルツマン理論 USJワンダーランド
危険を認識できないことが多い子供がけがをしないようにデザインすることが大切です。
一番多い大きなケガは転落によるもの。
転落した時に固い地面ではなく、柔らかい地面であればケガが軽減できることでしょう。
ワンダーランドにあるハローキティのリボン・コレクションの待ち列には滑り台がありますが、周辺は柔らかい素材で踏むと少しへこみます。
明確なゴール
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ユニバーサルワンダーランド
子供たちが自分の行きたい場所を選びやすいように、すべての遊び場が少なくとも一部は見えるようにするという考え方があります。
ワンダーランドの屋内施設では、入口は中二階のように少し高い場所になっていて、奥は一段下がっています。
奥の方まで背の低い子供でも見渡せるようにデザインされています。
入口
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ワンダーランド
明確な入口が分かるようにする必要があると提唱されています。
ワンダーランドの入口はセサミストリートのキャラクターがお出迎えしていますし、屋内施設も各遊具場所は入口以外は壁に囲まれていて、明確に入口だと子供が認識できるようになっています。
ゴルツマン理論だけでなく職業探しや20世紀のアメリカの歴史や文化も学べるUSJの知識をまとめた記事もぜひご覧ください。
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夏休みの自由研究のネタの1つによいかもしれません。
次の記事でテーマパークで楽しみながら自由研究の宿題をするネタをまとめました。
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テーマパーク専門家(とくにUSJ)、USJファンとしてテレビ出演や番組制作協力、映像、写真提供を多数行っています。テーマパーク・展覧会の報道関係者向け取材も多数行い、魅力を発信しております。
株式会社ハピエル 代表取締役。テーマパークメディア ハピエル 編集長も兼務。USJ開業当初から約24年間通う。公式ファンクラブUSJファン クリスタルランク認定。1年間に50回パークへ。USJ攻略法や混雑予想の情報発信も行う。東京ディズニーランドには27年間通っている。